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お兄ちゃんはおしまい! 第1話 表紙

お兄ちゃんはおしまい! 第1話

著者: ねことうふ 出版社: 一迅社

ストーリー概要

ねことうふ先生が描く『お兄ちゃんはおしまい!』、通称「おにまい」。元々は同人誌から人気に火がつき、アニメ化もされた話題作ですね。

物語の出発点はシンプルかつ衝撃的。ひきこもりニートの緒山まひろ(お兄ちゃん)が、ある日目覚めたら女の子になっていた——。犯人は天才科学者の妹・緒山みはり。お兄ちゃんを更生させるため(という名目で)怪しい薬を盛ったというとんでもない導入です。目次を見ると「まひろとイケない身体」「まひろとトイレ」「まひろと危ない鏡」「まひろとアイデンティティ」「まひろとMMORPG」など、女の子になったまひろが日常のあらゆる場面で右往左往する様子がエピソード単位で描かれています。

レビュー

いやー、これはズルいですよ。ズルい(褒め言葉)。

まず第1話の冒頭から引き込まれます。昼の12:26に起床って、もうこの時点でダメ人間っぷりが伝わってくるんですけど(笑)、「風邪かな…身体もダルいような…」ってぼんやりしてたら、テレビの黒い画面に映った自分が見知らぬ女の子で「誰!?」って——この「テレビの画面反射で気づく」演出、地味に秀逸なんですよね。鏡じゃなくてテレビの黒画面ってところが、いかにもひきこもりの生活空間を感じさせて上手い。

ねことうふ先生の作画は、一見シンプルに見えて表情の描き分けが非常に丁寧です。まひろの困惑顔、恥ずかしがる顔、ちょっと嬉しそうな顔——微妙なニュアンスの違いがしっかり描かれていて、だからこそコメディとしてのテンポが活きてくる。特にまひろがトイレ問題で切羽詰まってる回なんて、表情芸だけで笑わせにきてますからね!!

で、この作品の真骨頂は「TSコメディ」でありながら、ちゃんと「日常系」としても成立しているところ。女の子の身体になったことで生じるあれこれ——トイレ、お風呂、服装、アイデンティティの揺らぎ——を丁寧に拾いつつ、それを重くしすぎずにコメディに昇華するバランス感覚が素晴らしいです。

キャラクター分析

緒山まひろ——元ひきこもりニートのお兄ちゃん。女の子になった姿がロングにアホ毛という、もう反則級の可愛さ。ピンクのカーディガンが似合いすぎている。性格は基本的にダメ人間なんだけど、女の子としての生活に少しずつ適応していく過程が微笑ましい。嫌がりつつも順応していく姿に「お前、実は楽しんでないか?」とツッコみたくなります(笑)

緒山みはり——天才科学者の妹。黒髪ロングで一見おとなしそうに見えるけど、兄を女体化させる薬を開発・投与するという行動力がヤバい。お兄ちゃん大好きが高じてこうなったのか、それとも実験欲なのか…。兄の世話を焼きつつ観察もしているあたり、愛情と好奇心が混在していて、このキャラクターの底知れなさがストーリーに奥行きを与えています。

印象的なシーン

やはり第1話の「テレビ画面に映った自分を見て『誰!?』」のシーンが白眉です。コマ割りの構成として、体調不良→テレビ画面への映り込み→驚愕、という3段階の感情変化を見開きの中で自然に処理しており、漫画的な「間」の取り方が巧みです。大ゴマで描かれたまひろの全身像も、×マークの背景と相まって「もう元には戻れない」感を視覚的に突きつけてきます。

総合レビュー

『お兄ちゃんはおしまい!』は、TSジャンルの入門書としても、日常コメディとしても、非常に完成度の高い一作です。ねことうふ先生の柔らかく可愛らしい作画は、題材のキワドさを程よく中和しつつ、キャラクターの魅力を最大限に引き出しています。

全10話+α(0.5話の番外編含む)という構成で、テンポよく読み進められるのもポイント。TSファンはもちろん、日常系が好きな方、可愛い女の子が見たい方、ちょっと変わったきょうだいモノが読みたい方——幅広い層におススメできます!!

ジブリで言えば(またジブリ?)…いや、これはジブリには例えられないな(笑)。強いて言えば「らんま1/2」の系譜にある性転換コメディの現代版、といったところでしょうか。エロに振りすぎず、かといって設定を持て余すこともなく、絶妙なラインを攻めてくる一冊です!!

作品を読む

レビュー公開日: 2026-02-21

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